40%キーボードVortex Coreを使ってみた

「HHKB最高」と思い続けて早十数年。 HHKBに不満はなかったのだが、ふとメカニカルキーボードが欲しくなった。 メカニカルキーボードに関しては全くのムチで、最近のメカニカルキーボードのパッケージに書いてある「●軸」ってことすら意味が分からないレベル。まずは軸の違いを調べ、自分の持つメカニカルキーボードの印象に近い「青軸」モデルを探すことにした。

メインで使用するのは引き続きHHKBのつもりだったので、どうせなら特徴的なものがいいかなと思っていたところ、Vertex Core というモデルが目に留まった。 47キーのモデルで60%サイズのHHKBよりも更に小さい40%キーボードというカテゴリらしい。コレなら持ち運びできるかもという期待を込めて購入。

開けた瞬間ワクワクするパッケージ。 このキーボードを買った理由の一つはこのデザイン。 上からはキーしか見えないのがイケてる。

HHKBよりも更に小さく、薄いので携帯性は抜群。本体下部はアルミ製なので剛性・質感ともにいい感じだ。

キートップは一般的なキーボードに比べると低め。程よく角も丸められているのでとても打ちやすい。一番の問題はこのキー配列を使いこなせるかどうか。

Vortex Coreには独立した数字キーと記号キーがない。英字キー以外は以下のようにFnキーとのコンビネーションとなる。

  • 赤字のキーとして使うにはCと同時押し
  • 緑色のキーとして使うにはFn+Shiftと同時押し
  • 青字のキーとして使うにはFnと同時押し

右Shiftの隣りにあるFn1キー+M,<,>,Shift の各キーを押すことでL0〜L3の4つのレイヤーを切り替えできる。L1〜L3レイヤーはプログラミング可能。

最上段がFF1〜F12として機能する点はHHKBと同じだが、2段目のキーに割り当てられている数字は1つずれている。 (F7キーの下に8が印字されている)この辺は少ないキーでやりくりするため仕方ないのかもしれないが、基本的には

  • Fn1 = 各種文字入力
  • Fn = Home、PageUp&Down、レイヤー切り替え等文字入力以外

という具合に分けられているので、よく考えられている印象を受けた。

使い始め数日は苦行だった

コンパクトサイズということで一番はタイピングし難さを心配していたがそれに関しては全く問題がなかった。 デザイン・携帯性・打ち心地は大変満足いくものだったが、このキーボードは慣れが必要だ。 このキーボードに慣れるまで大変だった点をあえて書いておく。

その1:記号キーがわからない問題

数字キーに関してはすぐ覚えるお事ができたものの、記号キーに関しては覚えられず、プログラミングしていると記号入力のたびに手が止まり、キー位置を探す必要があった。初日から覚えられるわけがないとは思っていたのでとにかく使い続け、数日後おおよその位置が分かってきたという感じだった。

まずは印字どおりのデフォルト配列を覚えることを優先し、マクロは使わないことにした。

その2:ホームポジションを見失いがち問題

このキーボードはFとJキーのマークに凸印はついておらず、キートップの彫りの深さでこの2つのキーがわかるようになっている。自分としては初めてのタイプだったので慣れるまではやはり視線をキーボードに落とす必要があったので、前述の特殊配列の件と相まって作業効率はだいぶ落ちた。

その3:角度が合わない問題

個人差があることだが、僕の場合キーボードはできるだけ角度をつけたほうが使いやすい。だがVortex Coreには角度調整機能がないため、そのままではどうしても使いにくかった。そこでホームセンターで購入したゴム足を裏面に貼り付け角度を調整してみた。

打ちやすくなったものの、携帯性は若干損なわれる。アルミボディでも折りたたみ式の脚をつけて欲しいというのは高望みだろうか…。

プログラミング機能(マクロ)でより自分好みに

ある程度使っていくと、やはりプログラミング機能を使う必要性を感じてきた。ネットでこのキーボードを使用している人たちを見ると次のような設定が定番のようだ。

  • vim風にHJKLをカーソルキーに設定
  • Fn1キーとPnキーを入れ替え
  • Delキーを-に設定

ひと通り試した結果、「Delキーを-に設定」だけ残し他はデフォルトで使うことに落ち着いた。既にプログラミング機能を持っているキーボードを使っている場合はそれと同じ設定をするのがいいのかも。

ある程度使い続けたときにはじめて良さがわかるキーボード

キーが少ないことによる特殊配列に慣れることが一番大変だったが、それを乗り越え、自分好みのカスタマイズを見つけることができれば、Vortex Coreは手放せない道具になり得るキーボードだと感じた。特にHHKBを持ち運び出先で使用する人にはいい選択肢かもしれない。

  • HHKBよりもコンパクト
  • HHKBより浅いキーストロークで高速タイピング可能
  • 高級感あるアルミボディ

自分はクリック感と音を楽しむために青軸を選んだが、持ち運ぶときは静音赤軸(ピンク軸)がいいかもしれない。

まだまだ使いはじめて日が浅いので、ほとんどカスタムもしていない状態だが、随時アップデートしていきたいと思う。